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時々の萌えをつらつらと

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DFFのことを前世として覚えてる現代パラレル
1+5


バッツにとって、かつて彼の地で共に戦った縁の深い昔の仲間はティナで6人目だった。


 記憶が混乱することはなかったが、時々誰かに全てを話してしまいたい衝動に駆られることは多々あった。
ずっと昔、あったかもしれない記憶。身近な人に話しても信じてもらえない、良く出来た御伽噺のような。
誰かに話したくて、そしてあの仲間たちに会いたかった。会って確かめたかった。そういったものが抑え切れなくなっていた時だったのだ。

 彼を見つけたのは。

 果たして彼はどう思ったのだろう。人ごみの中をふらふらと歩きながらバッツはあの時の事を思い出していた。
 たしか、自分はまだ中学生だった。部活が終えた帰宅途中。前を歩く彼を見た瞬間、自分の中で歓喜が湧き上がった。見間違えるはずなどなかった。無駄なくどんどんと前へと進んでいく彼を、慌てて追いかけて彼の名前を呼んだその時は想像もしていなかった。
ただ、会えたことが嬉しくて何も考えていなかった。振り向いた彼の眼は、おれを覚えてはいなかった。
それだけは頭の悪いおれでも確かに分かった。凛々しい彼の眼が酷く冷たかった。昔は彼の眼が冷たいなど思ったことなどなかったのに。
 みんな。あの仲間たちはみんな、覚えているものだと何故か無意識にそう信じていた。
否、違う可能性を考えたくなかったから見ない振りをしていただけだったかもしれない。
 急激に視界が暗くなって、立ちすくんだおれに彼は何か声をかけてくれていたのかもしれない。でも、気付いた時はその場から逃げだしていた。


 あの時は散々だった。いきなり声をかけられて、そして振り向いた途端に走って逃げられた、なんて彼にとってはいい迷惑だったろう。性質の悪い悪戯だと思われただろう今になってはそう冷静に考えられるが、あの後自分は号泣してそれからは覚えていない程前後不覚に陥っていた。


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