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現代パラレル
クラウドとバッツは持ちつ持たれつの関係だといいなぁ。
(やばい)
それは本能だった。あまりの空腹に起き上がる気力もない。
腹の虫が鳴るなんてとうの昔に過ぎて、胃が圧迫されるような、腹痛のような痛みがあって、なんだか手が痺れる。
これはやばい。手が痺れるなんて、軽い脱水症状を起こしてるかもしれない。
あまりの空腹と戦いながら少し焦りが出た。
病院は行きたくない。あそこは好きじゃない。
暗くなる思考を振り切って、一筋の光である玄関のある方へ視線を向ける。連絡をとったのは結構前だ。
たぶん。正確な時間は分からなかった。自分が何時間もの間空腹で悶えている時間など数えたくもない。
(…あれ?携帯どこに置いたっけかな)
そこではたと気付いた。連絡を取るために使った機器がない。頭を動かさず眼だけを動かして見える範囲を捜して見るが、見当たらない。
そこまで確認して、ため息を吐く。誰かが鳴らしてくれれば直ぐにわかるものだが、出る気力はない。
(あいつからだったらでるけど…)
待ち人からであればそれは飛びつく勢いで、通話ボタンを押すであろう自分の姿を簡単に自分で想像できて可笑しかったが、もう笑う気力もない。
「お前は馬鹿か」
ごつ、と鈍い音と共に目の前に置かれたのは近くのコンビニのビニール袋だった。
がさがさと音がする。上から手が伸びてきてその袋から次々に食料品が出てくる。
その目の前に見える食料品を見つめて漸くそこで、バッツは自分の頭を蹴り、自分を馬鹿と罵った相手を見た。見えるはむっつりとした不機嫌そうな友人の顔だった。
「…クラウドォ~…」
久しぶりに発した言葉はなんとも情けない声で、それを聞いたクラウドは眉をぎゅっと寄せ、もう一度ごつりとバッツの頭を蹴った。
結構心配して焦って来たクラウド